僕は中卒です。
中学を卒業したあと、高校には進学しませんでした。
当時は深く考えていたわけではなく、
「まあ働けばいいか」くらいの軽い気持ちでした。
周りの友達はほとんどが高校へ進学。
でも、自分だけは社会に出る道を選びました。
その時は正直、学歴のことなんてあまり気にしていなかったんです。
でも、社会に出てから少しずつ
「自分は他の人と違うんだ」と感じるようになりました。
周りの会話についていけない
最初に働いた職場は、倉庫の仕事でした。
そこで出会った同僚の多くは高校卒業していて、
中には専門学校や大学に行っていた人もいました。
休憩時間、こんな会話がよくありました。
「高校の文化祭さ、めちゃくちゃ楽しかったよな」
「修学旅行で沖縄行ったんだよね」
その会話を聞きながら、僕はいつも思っていました。
「その話、全然わからないな…」
自分には高校生活の思い出がない。
だから会話に入れない。
小さなことかもしれませんが、
この頃から少しずつ劣等感を感じるようになりました。
「中卒なんだ」と言うのが少し恥ずかしかった
新しい人と出会うと、だいたい聞かれる質問があります。
「高校どこだったの?」
この質問が、僕はずっと苦手でした。
正直に言えばいいだけなのに、
なぜか少し言いづらいんです。
「高校は行ってないんだよね」
そう言うと、相手は大体こう言います。
「え、そうなんだ」
それだけなんですが、
その一瞬の空気が少し気まずく感じました。
別に相手は悪くない。
でも、自分の中で
「中卒って珍しいんだな」
と改めて感じる瞬間でした。
求人票の「高卒以上」
20歳くらいの頃、
今より条件のいい仕事を探そうと思い、転職サイトを見るようになりました。
そこで気づいたのが、
多くの求人に書かれているこの言葉です。
「応募資格:高卒以上」
この一文を見たとき、
少しショックでした。
仕事内容を見る前に、
そもそも応募できない。
その現実を初めて強く感じました。
当時の自分は特別なスキルもありません。
だから思ったんです。
「自分はスタートラインにすら立てていないんじゃないか」
と。
友人たちの変化
もう一つ、学歴を意識するきっかけがありました。
久しぶりに中学の同級生と会ったときです。
みんなそれぞれの道を歩んでいて、
- 大学を卒業して会社員になった人
- 専門学校を出て技術職に就いた人
- 公務員になった人
そんな話を聞いているうちに、
自分の中である感情が出てきました。
「もし高校に行っていたらどうなっていたんだろう」
後悔というほどではありません。
でも、少しだけ
「違う人生もあったのかな」
と思うようになりました。
学歴コンプレックスは突然生まれるわけじゃない
よく「学歴コンプレックス」と言いますが、
僕の場合は一瞬で生まれたわけではありません。
少しずつ積み重なっていきました。
例えば
- 会話に入れないとき
- 学歴を聞かれたとき
- 応募できない求人を見たとき
- 同級生の話を聞いたとき
そんな小さな出来事が重なって、
「自分は学歴が足りないのかもしれない」
と思うようになりました。
それでも、人生はまだ長い
ただ、その頃ふと思ったことがあります。
「まだ20歳だ」
このまま何もしなければ、
たぶん10年後も同じ気持ちのままかもしれない。
でも、もし何か動いたら
少しは変わるかもしれない。
そこで知ったのが
高卒認定試験でした。
高校に通わなくても、
試験に合格すれば高卒と同等の資格がもらえる。
この制度を知ったとき、
「まだやり直せるかもしれない」
そう思いました。
コンプレックスは悪いものじゃない
今振り返ると思います。
もし僕が
学歴コンプレックスを感じなかったら
たぶん
- 勉強もしなかった
- 進学もしなかった
- 転職もしなかった
と思います。
コンプレックスはつらいものですが、
時々人生を動かすきっかけになることもあります。
あのとき感じた小さな違和感が、
少しずつ自分の人生を変えていきました。


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